脂質異常症とは

私たちの体内には、コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、リン脂質の4種類の脂質があります。血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪が多すぎたり、または少なすぎたりする状態のことを脂質異常症といいます。最近では、健康診断などで指摘される方が増えている脂質異常症ですが、どのように対処すればよいのでしょうか。

今回は、脂質異常症についてくわしくお伝えしていきます。

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脂質異常症の分類と高脂血症との違い

脂質異常症は脂質異常の総称であり、高総コレステロール血症、高ldlコレステロール血症、高トリグリセライド血症、低hdlコレステロール血症に4つに分類されます。

この4つのいずれか、もしくは複数の状態であることを、かつては「高脂血症」とよんでいましたが、これが2007年に「脂質異常症」と改称されました。高脂血症というと、脂質が多すぎるケースのみを指すと思われやすいため、どのケースでも問題ない名称へと変更されました。

脂質異常症の原因

■生活習慣が原因となるケース

脂質異常症の原因は食生活を中心とした生活習慣にあることがほとんどです。動物性脂肪を多く含む食品(肉類や乳製品など)や、コレステロールを多く含む食品(卵、レバー、魚卵など)を好む方は、ldlコレステロールを過剰に摂取する傾向があり、高ldlコレステロール血症を引き起こす可能性が高いでしょう。

また、日常的にカロリーの高い食品(肉類や揚げ物、甘いものなど)を過剰摂取する方、食事量が多い方、飲酒量の多い方などは、高トリグリセライド血症が疑われます。なかでもアルコールは中性脂肪を増やしやすいので酒量には気をつけましょう。

運動不足や肥満、喫煙などはhdl(善玉)コレステロールが減少する原因といわれており、低hdlコレステロール血症を引き起こす恐れがあります。

■遺伝が原因となるケース

生活習慣以外にも、遺伝が原因となって「家族性高コレステロール血症」を引き起こすこともあります。家族性高コレステロールは動脈硬化が早く進行してしまうので、家族や親戚に脂質異常症の方が多い場合は、早めに受診しましょう。

■病気が原因となるケース

糖尿病や甲状腺ホルモンの減少による甲状腺機能低下症、腎臓の病気であるネフローゼ症候群、肝臓の病気である閉塞性黄疸などが原因となる場合もあります。

痛風患者の8割が脂質異常症

突然、足の親指に締めつけられるような激痛が走り、赤く腫れ上がり、足を動かすことも困難になった場合、痛風が疑われます。1週間から10日ほどすると痛みは治まりますが、治まったからといって油断は禁物です。

痛風患者の8割は脂質異常症といわれており、痛風も脂質異常症もどちらもプリン体の多く含む食品(肉類などの動物性たんぱく質)やアルコールの過剰摂取が原因となります。つまり、痛風になるということは、同時に脂質異常症である可能性が高く、さらに動脈硬化の進行によって心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすことも懸念されます。

従来であれば、脂質異常症では痛みなどの自覚症状を感じることは少ないですが、痛風は健康状態を意識するチャンスともいえるので、痛風の発症を機に健康管理を意識してみましょう。

脂質異常症治療では、lh比が重要

脂質異常症の治療では、ldlコレステロールやhdlコレステロールの数値を別々に考えるのでなく、両者のバランスが重要となります。その目安となるのが、lh比です。

「ldlコレステロール値÷hdlコレステロール値」で比率が算出されます。以下の表のように、lh比の数値から血管内の状態が分かります。

  【lh比からみる血管内と健康の状態】

lh比

血管内と健康の状態

2.5以上

動脈硬化が進行
生活習慣病のリスクあり
投薬治療が必要

2.0以上

余剰コレステロールあり
動脈硬化の疑い

1.5以下

きれいで健康


lh比は病気がない場合は2.0以下、高血圧、心筋梗塞、糖尿病などの前歴がある場合は1.5以下にすることが望ましいといわれています。

目標値をめざして生活習慣の改善を

脂質異常症の治療では目標値が定められていますが、生活習慣病の危険因子の有無によって数値が異なります。心筋梗塞や脳梗塞、高血圧、糖尿病などの危険因子がある方は動脈硬化が進みやすいため、より厳しい目標値となっています。

また、投薬治療が必要な方は、薬を服用しながら生活習慣の改善が求められます。薬の副作用では便秘などの症状がよくみられるので注意が必要です。自分の目標値を把握し、目標値以内におさまるように医師の指導のもと、動脈硬化の進行を予防しましょう。

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